捕獲2回目
旦那が噛まれた月曜日の朝、私は普通に出勤した。
子猫、あと4匹か。
大人の猫、あと何匹なのかしら。
成猫って、「せいびょう」って読むのみんな知っているのかしら。
とつらつら考えつつ、お昼を食べていると、ボランティア団体の方からメールが届く。
「今日、捕獲機かけられるなら、搬送できますけど」
お、私仕事だし難しいですーと返事をすると、
「◆◆さんは、捕獲機セットできないですかね。」と聞かれる。
近所の人に聞いてみると、案の定、
「Nさんがいる時がいいです。今日は無理。」と返事が来る。
ので、お断りして、
「明日、火曜日捕獲・搬送、木曜日リリースでどうでしょうか。でも、子猫が捕獲されても、子猫を預かる人がいないので、ちょっと待ってください。探します。」とお願いする。
も。
「とりあえず、私が今日少し動けるようになったので、夕方捕獲機セッティングしちゃってもいいですか?搬送して子猫も捕まえておきます。」
と連絡がくる。
いやいやいや、だって、子猫の預かり先まだ決まってないし。
お金の整理もできてないから、
えっと、成猫が何匹捕まるか、お金がいくら必要かもわからないし。
でも、私一人が決めることじゃないんだよな、みんなでやってることだし。
ボランティアさんは猫のいのち中心で動いてるわけだから。緊急事態なんだな。
なので、
「私が、決めることでもないので、今おうちにいる人たちと相談してください」
と言って仕事にもどる。
他人を尊重してるふりして、無責任だったな、と今反省。
で、気になって帰ると、おうちのまわりには近所の人たち。
「Nさん、つかまったわよ」
とボランティアさん。
「あー。でもね、ちょっと違うの。」
?違うの?
「思ってたのと違うのが捕まったの。子猫2匹と、親猫2匹」
ぬん、と睨み付ける子猫2匹。
なんだ。
この野良猫然とした、左側の子猫の目つきは…
おまえ、漫画みたいだな…。
2匹おびえて寄り添っている。すまんすまん。怖いな。
右側はサビ、っていうんでしょ。黒猫だと思っていた子猫。
子猫…?
子猫、今日病院で検査してもらったら、いったいどこにいくの?
預かりさんを近所の方にお願いしてみても、みな事情を抱え難しい。
今回子猫を捕獲・保護するのに一番難しいなあと思うのが、この問題だ。
・里親が見つかるまで、預かってくれる人はいるのか。
・また預かったとて、里親さんがいつ見つかるのかわからないから、預かり期間も明確ではない。
あと、もっと問題なのは、
・何がかかるかわからない。
あと、何匹いるかもわからない。
そうそう、わからないのです。
これ、成猫ならガンガン捕獲して、リリースして、地域猫として管理。ってできるけどさ。
子猫ね、リリースできないじゃん。
先日、近所のおじさんに言われた言葉がよみがえる。
「もう、終わりにしたら。この空き家で生まれた子猫、5匹とも捕まえて保護したんでしょ。お金いったいいくらかかるのかもわからないし、そろそろいいんじゃない?」
確かに。
お金の算段もたてず、
預かり先も見つからないまま、
ボランティアさんに「みなさんと相談して…」といってしまった自分を少し後悔する。
「じゃあ、私たちは1匹6000円で預かります。」
とボランティアさんは提案してくれた。
2匹×6,000円。8月10日まで預かりで12,000円か。
大変ありがたく、申し出を受ける。
で、おとな2匹捕獲。1匹は動物病院に入院&手術。茶白さん・メス。
おまえ、シン・ゴジラの蒲田くんそっくりじゃないか…
あと、もう1匹。三毛猫。
奥さん、三毛猫って、ほぼ100%メスだって知ってました?
この三毛猫が捕獲される前の写真を、猫のことに詳しい人に見せたら、「これは、ぜったい子猫いるよ。三毛猫、超やばいですよ。だって100%メスだもん」って言われた。
本当ですかい。
三毛でいいんですよね…色がわかりませんよ…
この猫は、母親猫決定。
なので、この夜、そのまま捕獲器に入れて庭に置き、子猫を誘うことにする。餌、いれといてよかったな。
すまんな、がんばってくれ。
てかさ、子猫4匹いたよね。
子猫ー、まだつかまらないのか。
まだ捕獲は続くのか…
と、今夜用に捕獲機をセットする。
すると、先生(近所の方)が、
「いいわ、Nさん、私お金をだす。ボランティアさんに預けて、子猫の命を救いましょう。」
「だったら私も出すわよ。」
「搬送は、じゃあ、主人がいけるって。」
とみんなでがやがやする。
と、涙がでた。
というか。
自分、一人が頑張るだけなら、いくらでも頑張れる。
多少我慢したとしても、まあ、乗り越えられる。
でも、この規模、経験値のなさでは、到底一人では乗り越えられない。
と、なんだか、申し訳なくて、申し訳なくて、涙がとまらない。
いや、私が「子猫を捕獲しましょー!」って誘ったわけでもないし。
誰よりも猫を愛しているわけでもないんだけど。
むしろ苦手なんだけれども。
困難がふりかかっているとき、私が頑張ればできたらいいのに、
ほかの方に迷惑がかかるのが、本当になんか辛くて辛くて、しくしく泣いた。
長女あるあるか。
何だろう。40歳にもなって、こんな気持ち。
近所の方に「何、泣いてるのよー」と笑われるが、気にせず泣く。
とりあえず、今日捕獲した、成猫2匹&
子猫2匹。
捕獲機を4台仕掛け、翌日の朝、確認することに。
また、捕獲の時間がはじまった。