子猫の命と人間の生活のバランス
すると、近所の猫好きさんから、メールがくる。
「うちに、子猫が餌をたべにきたよ♡」
彼女のうちでは、地域猫の餌やりをやってくれているのだ。
子猫、なんとか、生き延びておくれ…。
と、ボランティアさんからラインが入る。
「考えたのですが、妊娠周期もあり、8月末まで待つのは遅すぎると思います。
またそこまで待っても子猫が成長して捕まってもまだ小さい。
私が搬送しますので、これ一気にやったほうがいいと思います。
私の予感ではメスは同じ場所にほぼいますから、メスが残り3,4匹以外はいませんから。
捕獲避妊手術は一気にが一番です。
今、やっとくと後がきっと楽です。お金は私たちが立て替えておきます。あとは相談で。
ママ猫が私の勝手で先に捕まって2日も居なく、あのチビ猫達に対して、とても責任を感じています。」
そうか、
今日捕まったのは、お母さん猫か。
あの小さな子猫たちはお母さんと一緒にも入れず、今、あそこらへんをうろうろしているのか。
と、自宅でぐっすり眠る猫を見て、ちょっと泣きそうになる。
いやいや、でもムリでしょう。
「いや、捕獲は待ってください。
私たちの意見はずっとお話ししたように決まっています。
明日は町内のみなさんと話し合う時間は取れません。
捕獲器をかけて、大人猫がかかったらどうするのですか?
8月末まで、医療費は払えないのです。
申し訳ありませんが、捕獲器を明日設置することは控えてください。
子猫の預りより、私はボランティアさんが心配です。
8月末でも手術できないのなら、9月まで捕獲を待ちます」
そう、この町内にかかりきりになってくれている誠実なボランティアさん。
彼女にだって、家庭もある。生活もある。保護している猫もいる。
きっとそこに向き合う時間も、大いに削られているだろう。
とすぐ返信がある。
「子猫はこちらで引き取ります。残った子猫が小さすぎるし。」とくる。
!
引き取るって言ってもね。
引き取るの本当に大変よ。
いま、苦労しているのに、簡単に押し付けられない。
「飼い猫を捕獲しないように、回覧板・ポスティングをしようと話してます。飼い猫がいきなり手術をされたらえらい騒ぎになってしまいます。
時間がほしいのです。
みんなで話し合いたいのです。
私も先日の捕獲は性急で、子猫にとって判断をあやまった、強くとめるべきだったかも、と子猫の写真を見て思いました。」
と、やりとりが続くも、ボランティアさんの気持ちは変わらない。
「では、明日は早急ですから、明後日お願いします。」と伝える。も。
寝られない。
いや、寝られないですよ。
子猫死んじゃったらどうしよう。
いや子猫8匹も救ったんだ。
死んじゃってもやむなしだ。
だって限界あるし。
でも、勝手にお母さん猫捕獲したのは人間だし…
と、頭がぐるぐるぐる。
翌朝、眠れない気持ちを引きずりながら、信頼するご近所さんに電話する。
「ボランティアさんが、こう言ってますが…」
と、即答。
「やろう、子猫がかわいそうだ、やろう。お金ならなんとかしよう。」
覚悟が決まっている人は話が早い。
ってことで、ボランティアさんにメールをし、捕獲準備をすることになった。
私はこんな時でも、猫のうんこはきれいに片付け会社にむかう。