野良猫が子猫を生んだ
私は、猫が好きではない。
小さいころから動物を飼ったことがないせいだろうか、免疫がない。
猫にじーっとみられていると、体の奥から、ぞわぞわっーとして、鳥肌が全身に立つ。
きっと、前世でネコ科の動物に食べられてるんだろうな、と思い40年過ごしてきた。
それが、これ。どん。
我が家に今、2匹猫を預かっている。
怖くないのか?
いや、怖いです。
猫には不幸なことだが、なかなか触れないです。
「Nさん、ちょっと時間ある?」
近所の方から声をかけられる。
私の住む町内は東京都下。どこにでもあるような古くからある住宅街だ。
昔から住んでいた人の高齢化もあり、空き家や、手入れされていないおうちが最近目立つようになってきた。
「あそこの子猫、どうしたらいのかしら。」
そこは、草木ボーボーの一軒家。
お家をぐるっと囲む2メートル超えの木たち。
草は葦のようなものが丈高く生え、ところどころ隙間がある。けもの道みたい。
「ここでね、子猫が生まれて、子育てしてるのよ。ちょっと猫がふえすぎてるし、なにより子猫がかわいそうで。」
町内に住む猫の問題。
なんといっても糞尿被害である。
お庭の草むしりをし、掘り返し、土をやわらかくし、さーなんのお花を植えようかしら、と考えているうちに、猫のトイレと化す。
庭にはハエがとび、たまに玄関先が臭くなると、
こどもの靴をひっくりかえし、夫の靴をひっくりかえし、
「お前が猫のうんこを踏みやがったのか!いや、靴の中が臭いのかよ!」と叫ぶ。
くさいって嫌よね。
猫ねえ…
「あれ、保健所にひきとって里親とか探してもらったらいいんじゃないですか?あと愛護団体とか、探してみますよ」
と、なんとなーくネットでみたことあるなあ、ぐらいの知識で口にする。
で、「◎◎市 野良猫 捕獲 保護」で検索し、一番最初にでてきたボランティア団体さんに、下記のメールを送る。
「 ご担当者さま
ってのが、この旅の始まりの日。