自分の爪を切る
■新しい爪とぎをガリガリしているウィンクさんを見て思う。
そうだろう、爪、気になるだろう。爪を切ろうよ…
とつぶやくももはや洗濯ネットに入れる気力のない私。
やっばり私が切るしかないな…、と思いつく。
そうか、ウィンクさんは爪を切る意味がわからんのだな。
これは誰でもする行為で、安全で気持ちいいと見て気づいてもらうか、と爪切りを手にウィンクさんの前に座る。
■「ウィンクさん、あたさは、爪を切ります。あー長くてイヤだわ、切ろう
。切ろう。」と小芝居をかましながら、爪切りをウィンクの前に置く。
驚くウィンク。
しばし眺めさせた後、おもむろに爪切りを手にし、人差し指の爪を切る。
首をかしげつつ、私の手を見るウィンクさん。
しかし、最後の「パチン」と言う音にビクッとなり、走り去ってしまった。
いやいや、またれい。
まだ学習おわってないぜ。
と、ドタドタとウィンクを追いかけ目の前に座り爪をパチン。
「あー、爪切ったから気持ちいいなー」と小芝居をくり返す。
誰もいないからいいものの、ねこから見ればホラーである。
にゃんと座ったところで、大きな人がきらきら光るものをもち、なにやら指先をパチリとし、
「あー、きもちいいなー」と叫ぶ。
ちよっと場所を変えれば、またドタドタと追ってきて目の前にどっかり座り、きらきらした物で指さきを切る。
■何回か繰り返し、ウィンクは変な顔をしながらもじっと見つめてくれた。
いいか、ウィンク。
お前さんの爪を切るまでしょっちゅうやるからな。
そのために爪、軽めに切ってあるからな!(自分で自分が怖い)
■その効果か、ウィンクさん、抱かれる。
Xデーは、果たしていつ。
待て次号。