わだばナウシカになる
猫達人に大いに学び、いろいろ肝がすわった。
どうか、どうかと言ってる場合じゃない。
立ち上がらんとな。
近所の人に「Nさんが怖がっているから、猫も怖くなっちゃうのよ」と言われ、なるほどなーと思う。
猫だって、人と遊びたいよな。
人になれないと、里親さん見つけるの大変だよな。
で、はたと思い出すこのシーン。
そうか、その手があったか。
ただおびえているだけなのよね。
「わだば東京都下のナウシカになる」と決意も新たに、鼻息荒く(←この時点で猫はこんな人嫌い)
ゆっくりと、ケージの中の猫に向かって手の甲を差し出す。
いや、怖いから、ケージの外から柵に手を押し付けるのみ。
猫は、人のにおいをかぎたがるって、奥さん知ってました?
いろんな人が猫に自分の手のにおいをかがせるのを見ていた私が、
とうとう立ち上がる時がきたのである。
猫は私が、ぐいっとケージに押し付けた手を見てぽかんとしていた。
ら。
まずは、おさじさんが手を出してくる。
おさじさん、積極的。
穏やかな話し方をする人って誰だっけなーと、慌てて思いついたのが、蛭子さん。
なぜだ…
えびすさん口調で話す。
「あのね、つめはね、ださなくてね、いいからね。」
「ほら、こわくない、こわくない、ね、だいじょうぶ。」と蛭子100%で乗り切る。
も。
…ナウシカ、すごく痛かったんだね、よく平気でいられるよ。
しかし、ウィンクさんが、その後とことことやってきた。
「あのね、痛いとね、つらいのね。」と蛭子100%で話していると、
最初は少し出ていた爪が、出なくなり、
最後は肉球で私の手をとんとんするようになった。
ウィンク…。
おまえってやつは、賢いぜ。
でもしかし、「ユパ様、この子私にくださいな♪」みたいな気持にはなれず、
それよりも、私の中で穏やかな口調の人が「蛭子能収」だったことに衝撃を受ける一日。